
作品紹介
◆『私はベロニカ』: 2009年7月〜2010年7月に配信されたラジオドラマ(全52話)。2009年12月、インターネットラジオ局「くりらじ」の番組「ごすいせん」にて紹介され、全国的な認知を得始める。太極拳の天才でありスーパモデルのベロニカが、芸能生活を干されて、細々と福岡の地方ラジオ番組で生活をつないでいる頃の話。毎日のように質屋「吟泉堂」へ通うベロニカだが、実は、この店の主人吟泉は、ベロニカの太極拳修行時代の弟弟子という始末。プライドの高いベロニカだが、彼に頭をさげるしかない毎日である。やがて、この激貧状態をもたらした元凶が、ある宗教の教祖であることがわかり・・・
◆『私はベロニカ スパイ編』: 『私はベロニカ』の続編として2010年8月〜2011年8月に配信されたラジオドラマ(全54話)。本4枚組CDにすべて収録。
◆『私はベロニカ 武闘編』: 2010年8月にリリースされたオーディオドラマ。『私はベロニカ』の番外エピソード(全12話)。吟泉が福岡の離島で太極拳の修行をしていた頃の話。超売れっ子モデルのベロニカが、師匠である陳の命令で離島に戻って来るところから始まる。島民との交流が描かれたほんわかしたお話。
◆『おにぎり』: 2011年8月より配信開始のラジオドラマ(全13話)。『私はベロニカ』シリーズで登場した教祖の幼年期(ボクちゃんと呼ばている頃)の話。この意味で、『おにぎり』は『私はベロニカ』のスピンオフと言える。『Wings』に登場する由紀恵が中学生の頃の話でもあるのでこちらの作品のスピンオフとも言える。由紀恵は、ボクちゃんにデパートの地下街で見初められ、彼の家庭教師に。自由奔放のボクちゃんを温かい目で見守っているマリエやボディーガードの高倉とともに、ある犯罪からボクちゃんを守る。
◆『Wings』: 2011年8月リリースされたオーディオドラマ(全12話)。極右の団体に就職した若い女由紀恵。彼女の仕事は、極左のリーダー、通称プリンスの部屋の隣に住み込み、盗聴をして得た情報を幹部へ流すこと。主人公の由紀恵は、中学時代、『おにぎり』で教祖の家庭教師をしていたことがある。
◆『おにぎり2』: 2012年1月から3月までリリースされたオーディをドラマ(全8話)。『おにぎり』の続編である。教祖の幼年期の話。福岡のある女子大の文化祭に潜り込んだボクちゃんは、若月教授、教授の孫娘桃子、シンガーソングライターの沢田真一などを巻き込みながら、大暴れ。
◆『エメラルド結婚相談所』: 2012年3月から8月までリリースしたラジオドラマ(全16話)。
沢口景子が務めるエメラルド結婚相談所に、幼馴染であり現在有名悪役俳優である倉悪剣斗(くらあくけんと)がやってくる。アイドル京極都美(ミヤビ)に、倉悪はゲイだと週刊誌に情報を流された直後のことで、景子は戸惑う。
中年男女の恋の物語。途中から教祖が二人の仲にはいってくるので、一連の教祖関係のドラマのスピンオフでもある。
◆『ゆらのこまち 私はベロニカ平安編』: 2012年4月から2013年2月までリシースされたラジオドラマ(全28話)。大人になった教祖が、あるカルタ大会で突然気を失う。気がついてみると、目の前に広がる世界は、平安時代。美人好きな教祖がまず思うのは、小野小町さんに会いたいというしょうもないことだったが、神様が彼をタイムスリプさせたのは、どうやら彼を小野小町の手助けをさせるためだったようだ。従者鶴丸やくノ一朧などとの切ない関係が描かれている。
教祖出演作品およびベロニカ出演作品のスピンオフドラマである。
◆『GG-The Great Guy』: (全12話)。おとぼけジジイ秋川二郎は、あるとき拾ったタクシーの運転手北条寺徳子と意気投合し、彼女の家で飲むことに。行ってみれば彼女は福岡一の名家北条寺家の娘であった。若く美しいメイドのマリアが作るバーベキュウは最高に美味しい・・・という表面的な話の裏には、秋川や徳子のある秘密が・・・
この話は『ハニー・ライム 2』『教祖インロンドン壱 弐』のスピンオフである。
◆『ハニー・ライム 2』: 2013年5月から2014年1月までリリースされたラジオドラマ(全24話)。ネットリリースはしていないが、2011年制作、販売の『ハニー・ライム』(全18話)の続編である。偶然に始まった天才的な詐欺師ライムとこれまた天才的詐欺師ハニーフォックスの攻防がベースになっている。
『ハニー・ライム 2』は、二人の前にたちはだかる天下り理事安岡。昔秋川二郎に痛い目にあった彼は、ある展覧会をきっかけに彼に復讐を始める。窮地に陥った秋川を、ライムとハニー、そして徳子とマリアが助けることに。
『G G The Great Guy』『教祖インロンドン壱 弐』のスピオフと言える。
『私はベロニカ ウエスタン編』:2014年2月から9月までリリースされたラジオドラマ(全20話)。21世紀に活躍しているスーパーモデルベロニカの祖先のお話。時は1900年頃。ベロニカの祖先は、アメリカ合衆国に知れ渡る名うてのクイックドロー(早打ち)女保安官ベロニカであった。
本作品は、プッチーニのオペラ『蝶々夫人』をベースに、マーク・トウェイン作品、昭和年代の漫画、映画、から数多くのパロディ要素を組み合わせて作られている。昭和世代のリスナーにはそういった意味で聞きごたえがあるだろう。
本作人に登場する朧は、『ゆらのこまち 私はベロニカ平安編』にも登場する。
人物紹介
ベロニカ: 福岡出身の日本人であるが、なぜかベロニカという名前。南沙織とファラ・フォーセットを足して二で割ったような美女である。自分が完璧な体型と美貌の持ち主であることを自覚しており、日頃の言動にもそれが出る。特に同性には手厳しい。しかし、世間は、その高慢な態度を魅力としてとらえている。
【『私はベロニカ』以前のベロニカ】
幼い頃、父親の思いつきで太極拳の達人陳のもとへ修行に出された。陳は国賓扱いされるほどの達人であるが、ベロニカは修業時代にあっさりと陳の実力を凌ぐ太極拳の使い手となってしまう。この修業時代の鍛錬のおかげで、ベロニカは絶妙のプロポーションを得る。
修行後、ベロニカはモデルとしてデビューし、ファッション界の頂点に立つ。スーパーモデルとなったベロニカには、金がウハウハ入って来るようになる。仕事だけでなく、ファンからの貢ぎ物も増え、一度など、ある国の大統領から活動費にと3,000万円の寄付がベロニカ所属の事務所へ届いたこともある。後にこの金はマネージャーの磯野に横領されてしまう。
セレブ生活を当たり前のように営んでいたベロニカであったが、ある時から、東京での仕事がぱたりと途絶えてしまう。ベロニカには全く心当たりがないのだが、これはあきらかに何者かによる嫌がらせが原因であった。
【『私はベロニカ』でのベロニカ】
セレブ生活から極貧の生活へ急転落したベロニカは、しかたなく生まれ故郷の福岡へ帰り、地方ラジオ番組『教えてベロニカ』のDJをしながら、なんとか食いつないでいた。このころのベロニカは、食欲を満たすためならなんでもやっている。弟弟子吟泉の質屋へ行き金を無心する。また、別れた元カレ・マジシャン崇とさえも、食事のためであれば会う事は厭わないというプライドのなさ。幼い頃の修業時代の経験もあり、たくましさをそなえていたベロニカであった。
芸能レポーター柿本のひたむきさにうたれ、気づいた時は彼を愛するようになっている。しかし、教団との対決ムードが高まったため、姉真理子の提案で一時期ロンドンへ活動場所を移す事となる。
マジシャン崇: ベロニカの元カレ。マジックの腕はまあまあであるがあまり知名度はない。『マジック入門』のDVDはある程度売れたようだ。ベロニカからは、単なる金蔓、貢くんとしか考えられていないが、崇にはその自覚があまりない。
崇の祖父は、マジシャン二宮といい、『おにぎり』に登場している。
常盤理理子(ときわりりこ)
太極拳の修行中にベロニカと出会う。修行中に見たベロニカの美し過ぎる強さに心を奪われてしまい、それ以来、ベロニカをこよなく愛する女となる。ベロニカが陳の元を去るときに、理理子も島を離れ、その後はベロニカと行動をともにする。ベロニカが最も信頼している人間である。
料理が抜群にうまく、理理子の作るものでベロニカがまずいと思ったものはいまだにない。あるインタビューで、何が好物料理か?とベロニカに問うたら「理理子の料理」と答えたほどである。
ベロニカが仕事を干された際に、ベロニカの提案で、ファッションの勉強にロンドンへ渡る。ベロニカを日本においてロンドンへは行けないと相当ごねたが、「勉強して私の完璧なスタイリストになってちょうだい」というベロニカの言葉に説得されてロンドン留学を決心した。
神谷真理子: 東京で旅行雑誌『タイムナウ』の編集長をやりながら、福岡ではベロニカの臨時マネージャーをやっている。ベロニカの実の姉で、小さい頃ベロニカを徹底的に従えていた。そのためあの高慢ちきなベロニカでさえ頭があがらない。ベロニカの意思確認をせずに、ベロニカの活動内容を決めてしまう強引なところがあるが、ベロニカは恐くて文句が言えない。ベロニカがロンドンへ渡ったのも、ベジタリアンになったのも、真理子が勝手に決めた事である。
ベロニカ以外に対しては、超人当たりのよいプチ八方美人である。福岡では春日市の吟泉堂を訪ねる事が多く、吟泉も、真理子の人当たりの良さにマイっている。
吟泉: 春日市にある質屋「吟泉堂」の亭主。太極拳の相当な使い手であるが、ベロニカや理理子の強さに比べると話にならない。ベロニカや理理子は年下であるが吟泉の姉弟子にあたる。実直な性格で、地道な練習を重ね、陳から信頼される存在となる。
ベロニカが仕事をなくした後は、何かと経済的な援助をさせられるはめに追い込まれている。その腹いせに、時々ベロニカの持って来る質草に安値をつけたりもする。
柿本(通称ハイエナの柿本): 百キロを超す巨漢でありながら、こまわりの効く芸能レポーター。「恐縮です」が口癖で、今は亡きNレポーターを尊敬している。シェーク、バーガー、まんじゅう、たこ焼きなどが好物でいつも食べている。ちょっと歩くだけでカロリーの補給が必要だと騒ぎだし、カバンからバーガーを取り出して食べる始末。
ベロニカに渡るはずの3000万円が消えてしまった事を調査していたことをきっかけにベロニカに出会う。(3,000万円は、教団の信者であり、ベロニカのマネージャーであった磯野が横領したために事務所から消えた。)
柿本の本当の正体は、某国大統領の命を受けた諜報部員であり、コードネームをダイアナという。この大統領が実はベロニカに3000万円を活動費として渡したその人である。留学時代のベロニカと理理子の学友のハーミオーナが、この大統領の娘であったことからのはからいであったことが後にわかる。
巨漢にも関わらず有能な空軍パイロットである。チームタイガーに所属している。
ロンドンのパブでベロニカたちと飲んだ後、路上で車にはねられ意識不明の状態となる。どうやらこの車はベロニカを狙っていたようであるが・・・
教祖: ストイックで大人な村を本拠地とする教団の教祖。祖父の時代に創設された教団であるが、教義の内容自体は話の中ではあまり触れられていない。三代目ということで、例に漏れず、教団を食いつぶしかねない穀潰しであった。食いしん坊で悩みを持たないという特技の持ち主。
臆病者で草食系でありながら、無類の女好きである。昔は俳句を趣味にしていたが、それも女の影響である。ベロニカに投げ飛ばされたあとは、美人恐怖症に少しなりかけたので、側近にはティース百合子や苦情真子(くじょうしんこ)など、「美人ではない」類いの女性を置いている。
地位を悪用する典型的なオボッちゃま教祖。『おにぎり』では、大きくなっても権力で人をいじめたりしませんと由紀恵に誓っている。しかし、芸能界に手をまわし、ベロニカをモデル業から追い出した。ベロニカにとっては貧困生活の元凶である。
若い頃、アメリカ留学の際に、ベロニカ、理理子、ハーミオーナ、島田美津子などに出会っており、留学生活は教祖にはいい思い出であった。しかし、彼女達には教祖の記憶は全くない。そういった意味では可哀想なキャラである。
多岐川麗華: 芸能人のような名前であるが本名。美容院の店主であり、一時期、金のないベロニカのヘアスタイルをまかされていた。時々柿本の頭のシャンプーもしている。興奮するとシャンプー時に力を入れすぎるので、柿本が「痛い」と店の中で騒ぐことがよくある。
実家は福岡でも有名な寿司屋。父親がベロニカの大ファンであることから、しばしばベロニカに寿司の差し入れをしていた。
能天気と思っていた柿本から、戦争に苦しむ子供への思いを聞かされて、大いに感動する。
島田源太郎: ストイックで大人な村の駐在さん。美人博士の島田美津子は彼の娘である。村では「鳶が鷹を生む」というフレーズを子供に説明するとき、この親子の事を例に出すことになっている。
毎日愛用の自転車「美津子」に乗って、村を巡回している。巡回中に、酔っぱらったベロニカが、美津子にしつこく言い寄る教祖を投げ飛ばしたのを目撃したことがある。
「駐在所から自転車で駆けつけたときよー、おれが見たのはな、そらあ、きれーなもんだったよ。あっちの方の地平線から満月がちょうど上り始めたときでよ、そんお月様の光ん中に、フラフラーっち、髪の長―い天女みたいな女子(おなご)が現れたと思うと、いきなりあん大男を気合もろとも投げ飛ばしたのさ。「たー」・・・てな感じでよ。大男はスーっとスローモーションよろしく投げ飛ばされてな。それがきれいでよー。・・・あらあ芸術だな。美しかったなー。満月背景に、大男のシルエットが弧を描いたんだな。」(駐在言)
警官の仕事の傍ら、酒作り、わさび作りなどに精を出している。みかけによらず、哲学トークが大好きで、神谷真理子が村の取材に訪れた際、一晩バタイユなどについて熱く語り合った。
島田美津子: アメリカで動物園学博士号を取得し、帰国後は動物保護運動を積極的にすすめている。彼女の影響でベロニカたちは本格的にベジタリアンとなる。ストイックで大人な村の出身で、駐在さんの娘。着物がとても似合う和風美人である。
毛皮愛好グループの主催する懸賞論文に応募し、見事に最優秀賞を獲得するが、それはアラン・ソーカル事件を模した美津子の毛皮愛好グループへの知的な反抗活動であった。この毛皮グループの背後には教祖の教団の存在があったらしい。
ティース百合子: 教祖の側近の一人。ベロニカへの妨害工作その他教祖の言いつけ通りの事をする忠実な女。毛皮のCMに苦情真子と出たことがある。意外に人気のあるコメディアンであり、持ちギャグは、「ミョッポーン」というわけのわからないフレーズ。多岐川寿司へ偵察に来た事もあるが、玄米茶が嫌いと漏らしたために、多岐川寿司へは出入り禁止となる。(玄米茶は、ベロニカの好きな飲み物である。)
苦情真子(くじょうしんこ): 教祖の側近の一人。いつもティース百合子と行動を共にしている。
その他
ストイックで大人な村: 村民全員がベジタリアンであると言う珍しい村。きれいなわき水に恵まれており、わさびと酒が特産品である。「ストイックで大人な村」は、神谷真理子の雑誌に特集が組まれた際につけられた村の相性。この記事がきっかけとなり、村は観光地へと発展して行く。愛称
村の山にはピンク色の趣味の悪い建物が立っている。教祖の教団本部のビルである。教団は村人と親睦を図ろうと、あろうことか、バーベキューパーティを計画し、その告知ビラを、これまたあろうことか、ホーロー看板にプリントされた「由美かおる」の美しい太ももの上に貼ってしまった。
「教えてベロニカ」: 福岡地方限定のラジオ番組。極貧時代のベロニカが持っていた唯一のレギュラーな仕事。
地方番組であったが、 ネット上で放送内容の全スクリプト が流れていた。後に全国放送に昇格。ベロニカがロンドンへ行った後は、ネット回線による中継放送も行われた。
2011年現在では、実際にベロニカ役の神成おこしが、「教えてベロニカ」リアル版を配信している(不定期配信)。
MI7: 英国諜報部の一セクション。タイガー、陽子、柿本(ダイアナ)、ジェームズ・バンド、ナポレオン・モロ、イリヤ・クリムキンなどが所属している。柿本は英国人ではないが、このMI7の活動を通して、英国と同盟活動をしている。
柿本が関わっているミッションは、母国のテロ活動を鎮圧する事。そのためには、テロ集団へ流れる武器の破壊する必要がある。 破壊をする
(現実にはMI5などの機関が現在も存在するが、MI7は全くの架空の機関である。)